
札幌新陽・札幌龍谷の特別制度で広がる
不登校スタイルからの高校進学チャンス
はじめに:不登校生でも高校進学は可能です
不登校の経験があっても、高校進学を諦める必要はありません。30年以上にわたり指導を続けてきましたが、多くの不登校生が自分に合った高校を見つけ、新しい一歩を踏み出している姿を見てきました。
北海道の高校入試の現状と不登校生が直面する課題
近年、北海道では不登校生に対する高校入試の門戸が広がっています。欠席日数が多くても、進学のチャンスは十分にあります。ただし、不登校生が直面しやすい課題として「調査書(内申書)」の内容、特に欠席日数や内申点が合否に影響する点が挙げられます。学校ごとに重視するポイントが異なるため、自分に合った高校を選ぶことが大切です。
不登校生に開かれた北海道の高校の種類
北海道には、不登校経験者でも入学しやすい多様な高校があります。主な選択肢は次の3つです。
1. 定時制高校の特徴
定時制高校は、1日の授業時間が短く、働きながら学べるのが特徴です。たとえば札幌北高等学校定時制課程では、夜間に授業が行われ、1日4時間の授業で基礎からじっくり学べます。自分のペースで学びたい人や、早期卒業を目指す人にも対応しています。不登校経験者も多く在籍しており、安心して学べる環境です。
2. 通信制高校の特徴
通信制高校は、週に数日程度のスクーリング(登校)とレポート提出を中心とした学習スタイルです。毎日通学する必要がないため、復学に不安がある生徒にも向いています。北海道内には多くの通信制高校があり、2025年6月には札幌で不登校・高校中退生向けの合同学校相談会も開催されます。多くの通信制高校は「単位制」を採用しており、自分のペースで学びながら卒業を目指せます。
3. 不登校に理解のある全日制高校
全日制高校の中にも、不登校生を積極的に受け入れている学校があります。たとえば北星学園余市高等学校では、全国から集まる生徒の約6割が不登校経験者です。北海道の自然豊かな環境で、同じ経験を持つ仲間と支え合いながら学べる点が魅力です。
不登校生向けの特別な入試制度
北海道には、不登校生のための特別な入試制度を設けている高校もあります。ここでは代表的な2校を紹介します。
1. 札幌新陽高校「パスポート制度」
札幌新陽高校では、学力試験がなく、パスポート制度を利用することで単願入試での入学が可能です。パスポートセミナーに参加し認定を受けると、入学金の特待や出席日数の条件もクリアできます。制度を利用するには説明会への参加や申請、課題・面接での意欲表明が必要です。内申ランクに悩む不登校生にとって大きなチャンスとなります。
2. 札幌龍谷高校「SRGきっぷ制度」
札幌龍谷高校では、秋からの面談を重視した「SRGきっぷ制度」があります。オープンハイスクールに参加し、申請することで、欠席日数や内申ランクに関係なく合格の可能性が広がります。ただし、「なぜ高校に行くのか」「高校で何をしたいのか」を自分なりに考え、成長する意欲を示すことが求められます。
不登校生の高校受験成功事例
1. 定時制高校から大学進学したAさん
中学2年生から不登校だったAさんは、札幌北高校定時制に入学し、自分のペースで学ぶことで安心感を得ました。基礎から学び直し、同じ経験を持つ仲間と出会うことで前向きになり、4年間で大学進学を果たしました。「不登校の経験が人の気持ちを理解する力になった」と語っています。
2. 通信制高校で自分の道を見つけたBさん
人間関係のストレスで不登校になったBさんは、通信制高校を選びました。週2日のスクーリングと自宅学習を組み合わせ、単位制の仕組みで自分の興味を深めました。高校卒業後は総合型選抜で大学進学し、現在は好きな分野の仕事に就いています。「自分のペースを大切にできたからこそ、強みを見つけられた」と振り返っています。
よくある質問(Q&A)
Q1: 欠席日数が多すぎて高校受験できないのでは?
A: 欠席日数が多くても受験は可能です。特に私立高校の一般入試では当日の試験結果が重視されることもあります。まずは学校説明会で個別に相談してみましょう。
Q2: 不登校でも受験しやすい北海道の高校は?
A: 札幌新陽高校の「パスポート制度」や札幌龍谷高校の「SRGきっぷ制度」など、特別な制度を活用できる高校があります。まずは学校説明会やオープンハイスクールに参加して情報を集めてください。
Q3: 高校入試の面接で不登校について聞かれたら?
A: 正直に答えることが大切です。その上で、不登校期間に取り組んだことや考えたこと、高校での目標など前向きな姿勢を伝えましょう。経験を通じて得た気づきや今後の展望を話すことで、積極的な印象を与えられます。
まとめ:不登校経験を活かして新たな一歩を
不登校の経験は決してマイナスではありません。自分と向き合う貴重な時間となり、成長の糧にもなります。北海道には不登校生を受け入れる多様な高校があり、定時制・通信制・全日制と選択肢も豊富です。
大切なのは、自分に合った進学先を見つけることです。学校の先生や専門家に相談しながら、情報収集を進めてください。不登校という経験を活かし、高校生活という新たなステージで自分らしく成長していきましょう。
受験生の皆さんには無限の可能性があります。自分のペースを大切にしながら、一歩ずつ前進してください。