道コンは不登校には不要?道コンを高校入試のきっかけにしてスタート!

道コンを高校入試のきっかけにしてスタート!

「不登校の子に道コンは必要ない」

このような言葉を耳にしたことはありませんか? 「

道コン(北海道学力コンクール)」は、北海道の中学生にとってとても大切な模擬試験です。特に中学3年生の約50%〜70%が受験しており、多くの生徒の進路選択に大きな影響を与えています。しかし、不登校のお子さんを持つ保護者の中には、「うちの子には関係ない」と考える方も少なくありません。

中学生

私は30年以上、教育現場で多くの生徒と向き合ってきました。その経験から、不登校の生徒こそ道コンを活用すべきだと強く感じています。今回は、不登校の生徒にも道コンが必要な理由について、わかりやすくお伝えします。

道コンとは?北海道の中学生の約半数が受ける重要な模試

まず、道コンについて簡単にご説明します。

道コンは正式名称を「北海道学力コンクール」といい、北海道内の中学生を対象とした大規模な模擬試験です。30年以上の歴史があり、北海道の中学生ならほとんどが知っているほど広く浸透しています。特に中学3年生では、全道の約50%〜70%もの生徒が受験しており、非常に高い参加率を誇ります。

道コンの大きな特徴は、北海道内の高校受験においてとても重要な指標となっていることです。
多くの生徒が道コンの結果をもとに志望校を決めたり、進路を調整したりします。また、学校の枠を超えて自分の実力を客観的に知ることができる貴重な機会でもあります。

中学生

道コンは年に数回実施されますが、特に中学3年生にとって重要なのが8月(第2回)の道コンです。この時期の結果が、9月以降の進路選択に大きく影響するためです。

「でも、不登校の子には関係ないのでは?」

そう思う方もいるかもしれません。
しかし、それは大きな誤解です。 不登校生徒にこそ道コンが必要な3つの理由 不登校の生徒にとって、道コンはむしろ一般の生徒以上に大切な意味を持ちます。その理由を3つご紹介します。

客観的に学力を知る機会になる

不登校の生徒は学校の定期テストを受けられないことが多く、自分の学力を客観的に知るチャンスが限られています。道コンは学校以外でも受験できるため、今の実力を正確に把握するための貴重な機会となります。

進路選択の大切な判断材料

高校受験では、内申点が不利になりやすい不登校生徒にとって、実力を示せる道コンの結果はとても重要です。実際、多くの高校が道コンの結果を参考にしており、良い結果を出せれば進路の選択肢が広がります。

学習習慣を身につけるきっかけ

道コンという具体的な目標があることで、日々の学習に取り組む動機になります。特に夏休みなどの長期休暇中は、目標がないと学習リズムが崩れやすいですが、道コンがあることで計画的に勉強する習慣が身につきます。

中学生

私自身、これまで多くの不登校生徒を指導してきましたが、道コンをきっかけに学習意欲が高まり、最終的に希望の高校に合格した生徒を何人も見てきました。

不登校だからこそ、道コンは大きな意味を持つのです。

不登校生徒の保護者からよくある質問

「うちの子は学校に行けていないのに、試験会場に行けるのでしょうか?」

これは多くの保護者が感じる不安です。確かに、不登校の生徒にとって大勢の中で試験を受けるのは心理的なハードルが高いかもしれません。しかし、道コンにはさまざまな受験方法があります。

事務局の会場での受験が難しい場合は、近くの学習塾や家庭で受験できることもあります。WEBから自宅受験の申し込みができますので、 ぜひ積極的に道コンの受験をしてみて欲しいと思います。

「学校の勉強についていけていないのに、道コンを受ける意味があるの?」

この疑問もよく聞かれます。しかし、たとえ結果が思わしくなくても、今の自分の実力を知ることには大きな価値があります。現状を知ることで、これからの学習計画を立てやすくなります。

また、得意な科目があれば、それを伸ばすきっかけにもなります。

中学生
中学生

たしかに、不登校スタイルであることで、思うように点数を取ることができないかもしれません。そもそも学習がぜんぜん進んでいないのであれば得点することは難しいとは思います。
しかし、残念ですが、高校入試には期限がありますので、現実を親子でしっかりと受け止めて、先を考えていかなければいけない面もあります。一歩踏み出すためにも道コンの受験を検討してみる、親子でそれを話してみることは、不登校スタイルのお子さんの進路を考えていく上で大切な機会になると思っています。

道コン対策:不登校生徒が効果的に準備する方法

道コンを受けると決めたら、効果的な対策を立てましょう。特に不登校の生徒は、学校の授業を受けていない分、自分に合った学習方法を見つけることが大切です。

まず、過去問を活用しましょう。
道コンの過去問は学習塾やセイコーマートで手に入ります。
過去問を解くことで、出題傾向や時間配分をつかむことができます。

次に、短い時間でも毎日コツコツ勉強する習慣をつけましょう。長時間まとめて勉強するよりも、毎日30分でも続ける方が効果的です。不登校の生徒は生活リズムが乱れやすいですが、毎日決まった時間に勉強することで生活リズムの改善にもつながります。

また、得意な科目から取り組むことも大切です。得意科目で点数を取れると自信がつき、他の科目へのやる気も高まります。道コンでは5教科の合計点が大切なので、得意科目の点数を伸ばすことは効果的な戦略です。 一人で勉強を続けるのが難しい場合は、学習塾・オンライン学習サービスや家庭教師の利用も検討してみてください。

今はオンラインで質の高い授業を受けられるサービスも増えているので、自分に合った方法で学習サポートを受けることができます。

理科と社会の効果的な学習法

道コンでは、理科と社会が得点源になりやすい教科です。
これらの教科は暗記だけでなく、理解を深めることで効率よく点数アップが狙えます。

中学生

理科は、ただ暗記するだけでなく、現象の原理や法則を理解することが大切です。たとえば、動画教材を使って視覚的に学ぶと理解が深まります。特に実験や観察の問題は、図や表から情報を読み取る練習をしておくと良いでしょう。

社会は、地理・歴史・公民の3分野をバランスよく学ぶことが重要です。地図や年表を使い、空間や時間のつながりを意識しながら学ぶと効果的です。また、時事問題にも目を向けておくと、公民分野の理解が深まります。

実際の成功事例:不登校からの逆転合格

ここで、実際に不登校を経験しながら道コンを活用し、希望の高校に合格した生徒の例をご紹介します。

Aさんは中学2年生の途中から不登校になりました。学校の勉強についていけなくなったことが主な理由でした。最初は何もやる気が起きず、一日中部屋にこもる日々が続きました。

転機となったのは、中学3年生の夏に受けた道コンです。結果は良くありませんでしたが、自分の現状を客観的に知ることができました。特に数学と英語の基礎が抜けていることがはっきりしました。

そこからAさんは、自分の弱点を克服するための学習計画を立てました。教室で立てた計画を守り、基礎から学び直し、毎日少しずつ勉強する習慣をつけていきました。

次の道コンでは点数が大きく上がり、自信を取り戻すことができました。

最終的にAさんは、内申点は低かったものの、入試本番で実力を発揮し、志望校に合格しました。道コンがなければ、自分の弱点を知り、効果的な対策を立てることはできなかったでしょう。

このように、不登校の生徒にとって道コンは、自分の現状を知り、具体的な目標に向かって進むための大切なステップになるのです。

保護者ができるサポート

不登校のお子さんが道コンに向けて勉強する際、保護者のサポートはとても大切です。
まず、お子さんの気持ちや状態を尊重しましょう。無理に勉強をさせるのではなく、お子さんのペースを大切にしながら、少しずつ挑戦できる環境を整えてあげてください。

また、小さな進歩や努力を認めて褒めることも重要です。不登校の生徒は自己肯定感が下がっていることが多いので、「できた」という体験を積み重ねることが自信につながります。

さらに、必要に応じて専門家のサポートを受けることも考えてみてください。
学習面だけでなく、心のケアも含めた総合的なサポートが、お子さんの成長を支えます。

道コンを超えた先にある未来:不登校生徒の可能性

道コンは単なるテストではありません。
特に不登校の生徒にとっては、自分の可能性を広げるための大切なステップになります。 道コンを通じて学力を伸ばすことは、高校受験の成功だけでなく、自己肯定感の回復や学ぶ意欲の向上にもつながります。
「勉強ができない」という思い込みから解放され、「自分にもできる」という自信を取り戻すことができるのです。

また、道コンに向けて計画的に勉強する経験は、将来の学習や仕事にも役立つ自己管理能力を育てます。目標に向かって努力する習慣は、人生のさまざまな場面で大きな力となるでしょう。

不登校の経験は決してマイナスではありません。その経験から学んだことや、困難を乗り越える中で身につけた力は、かけがえのない強みになります。道コンは、そうした強みを見つけて伸ばすきっかけにもなるのです。

不登校スタイルで悩んでいるのお子さんにも、無限の可能性があります。
道コンをきっかけに、その可能性を広げてみませんか?

まとめ:不登校生徒にこそ道コンが必要な理由

今回お伝えしたように、不登校の生徒にこそ道コンは大きな意味を持ちます。

・客観的に学力を知る機会になる
・進路選択の大切な判断材料になる
・学習習慣を身につけるきっかけになる

これらの理由から、不登校だからこそ道コンを活用すべきだと言えるのです。
道コンに向けた準備は、単なる試験対策にとどまらず、お子さんの自信回復や将来の可能性を広げることにもつながります。ぜひ、お子さんの状況に合わせて、道コンへの挑戦を検討してみてください。

不登校のお子さんの学習や進路について悩んでいる場合は、専門家に相談することをおすすめします。一人で抱え込まず、適切なサポートを受けることで、お子さんの可能性はさらに広がるでしょう。